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男達の大和見ました!

事前情報もいろいろ得ていたけど予想を上回った。こんな映画、今まで見た事ないです。  
もともと感涙屋の私だが、何度も涙が流れた。
母と息子、若い父と妻に幼い息子、兄弟、多くの別れ。
息子の戦死を知らされる母、それを受け入れられない母の気持ち、生きて帰ったものの後ろめたさ。全てが深く心に響き涙が流れた。



ストーリーの良さもさる事ながら戦闘シーンの臨場感はすごい。今までに無かった映像。
今までの戦艦映画は「海上が戦場」だったが、この映画では「艦上が戦場」。狭く逃げ場の無い機銃座に爆弾が炸裂し一瞬で人が肉片になっていく。カメラの目線が水兵と同じ。カメラのアングルも中心からずれていて、細かく手振れし、派手なBGMもなく、ドキュメント映画のようだ。爆弾の破片や敵機の機銃が攻撃力を失った機銃士達に降り注ぐ。艦橋から水兵がばらばらと落ち甲板に叩きつけられる。みるみる甲板や鋼鉄の艦橋に黒い血と肉塊がこびりつく。
ハリウッド映画によくある戦闘機が曲技飛行ばりに艦橋すれすれを通過したり宙返りをするようなシーンは一切ない。ランボーのようなヒーローもいない。淡々と凄惨なシーンが続く。
この手の映画は見慣れていたはずだが、頭がぼんやりしてきて「もうやめてくれ」と思った。子供達にはまだ見せられない。

過去の日本の戦争映画では、上官の命令は絶対で狂信的にただ突撃する姿が殆どだったのに対し、この映画では「援護の航空機もなく、途中大和が敵機に撃沈されるのは明確。これでは無謀な作戦で、我々は犬死だ。」と反対する意見が飛び交い、「自分達が犠牲になる事で日本は目覚める。日本が負ければ平和がくる。そう思えば自分達の死は無駄にはならない。我々は死に場所を与えられた」という言葉で皆覚悟を決めたとある。
中学の授業で日本史の教師が「日本が戦争に負けてよかった」と話したのを思い出した。

戦争を実体験した方々が少なくなりつつある戦後60年、日本人が作った日本の映画、是非多くの人にもみてもらいたいと思う大作です。
by baijinghy0527 | 2006-01-27 22:07 | 飛行機と大空