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伯父の最期 ―戦後60年を迎えて―

以前このブログでゼロ戦のパイロットだった伯父の話を書いたことをきっかけに、母から新たな事実をききました。僕の父は数年前まで、伯父の戦友や上官を一人一人訪ねてまわり、伯父の最期を調べていました。

今僕の手持には、伯父の名前と命日がはっきり記されたゼロ戦搭乗員名簿、伯父が北九州から鹿児島の前線基地に移動する直前に書いた達筆な文字の手紙、当時の上官が伯父の最期の交戦を克明に記録したメモの写しがあります。

伯父は敗戦濃厚な4月、戦艦大和が沖縄に片道燃料で水上特攻を試みた「菊水作戦」の第二陣で大和の護衛に鹿児島の鹿屋基地から飛び立ち、米国機と激しい交戦の末、短い生涯を閉じました。上官の話によると父の兄は機敏にゼロ戦を操る優秀なパイロットだったそうです。
遺書とも言える最期の手紙には伯父が急な異動で混乱の中、急いで両親、兄弟へ後の事を託した気持ちが筆跡から滲んでいます。

ここまでで父は兄の消息を訪ねる事を終えました。

父が兄を思う気持ちは言葉や文字では簡単に表現できません。
父に対し僕は尊敬の念を抱かずにいられません。

何年もの時が過ぎても 忘れられないもの そして
人として忘れてはいけないものがあります

このようなことを繰り返してはいけません
誰もがわかっているのに
by baijinghy0527 | 2005-07-18 14:17 | 飛行機と大空